識者によるおすすめの作品コメント 日比野克彦
日比野 克彦 Katsuhiko Hibino
アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授。岐阜県美術館館長。熊本市現代美術館館長。日本サッカー協会理事、社会貢献委員会委員長。1958年日本・岐阜県生まれ。1984年東京藝術大学大学院修了。1982年日本グラフィック展大賞受賞。1986年シドニービエンナーレ参加。1995年ベネチアビエンナーレ参加。2003年〜越後妻有アートトリエンナーレ参加。2010年〜瀬戸内国際芸術祭参加。2013〜15年六本木アートナイト、アーティスティックディレクター。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞。2014年〜アートで社会的課題に取り組み多様性のある社会を創造するTURN プロジェクトを展開中。
草原の灯り |
大島 正年 |
Masatoshi Oshima |
紙に鉛筆・ペン 728mm×1030mm
1968年生まれ。熱海市出身。社会福祉法人見晴学園所属。
1997年より入所利用を開始し、25年目を迎える。事業所が絵画療法を展開し始めた当初から療法メンバーとして作品制作を行ってきた。
当初から、抽象画を中心に描くことが多かった。現在の画法は2015年頃からであり、色の濃さの違う鉛筆を提供した事がきっかけであった。
鉛筆から色鉛筆・マーカーなど様々な画材を使用することで、よりオリジナリティの高い作品を制作することを目標に、日々の絵画療法に取り組んでいる。
識者おすすめのコメント
夢中になるって言うけれど、それは本人の言葉ではない、周りから見た人が、現実的な世界と遮断して違う世界にいる人の様子を言う。
当の本人にとっては夢の中ではなく現実的な世界である。現実的な世界は一人の人間に対してひとつとは限らない。
夢中になる世界を持っている人は普通は二つ以上の世界がある。
二つ以上世界を持っている人は生きることに対して強い時と困る時がある。
自身でその二つの世界の出入りの入口と出口の行き方を知っている人は生きる力が強くなる。
しかし、その行き方がわからないと、ひとつの世界しか持たないことと同じことになり、生きることが混乱する時がある。
社会は絶えず変化する。
朝と夜があるように、晴れたり曇ったり、騒がしかったり静かだったり、嬉しかったり、悲しかったり、好きな人がいたり、いなかったり、大切な人が出来たり、いなくなったり。お腹がへったり、膨れたり。
いつもユラユラゆれているのが社会だから、そんな中で生きるのには、自分の中にも二つ以上の世界があって、その二つの世界を行ったり来たりできるのがいい。
作者の他の作品
「桜」 紙に鉛筆・ペン 728mm×1030mm |
「春」 紙にペン・水彩絵具・色鉛筆 728mm×1030mm |