株式会社 橋本組 遠藤 謙氏
遠藤 謙氏 Ken Endo
株式会社 橋本組 現場所長・主席技術者
株式会社 橋本組
〒425-0022焼津市本町2丁目2番1号
TEL: 054-627-3276(代表)
URL: https://www.hashimotogumi.co.jp/
わたしたちでは創造しえない唯一無二の作品
障害のある人の作品の魅力はどんな所にあるとお考えですか?
「わたしたちでは創造しえない唯一無二の作品である」ことだと思います。
まず目についたのが「奇抜なデザイン」です。通常、絵画は目で見たものをキャンバスに忠実に再現していくものと思いますが、障害者芸術作品はそこで大きなプラスαの創造が加わり素晴らしい作品になっているのだと感じています。
また、鑑賞する人の目を奪うのが「色彩」です。私たちが持つ常識的な感性を打ち破る「極彩色」を堂々と、ふんだんに使う、素晴らしい彩色に大きな特徴があると感じています。
あらためて、障害のある人の作品の良さとは「観て感じて」「感じたものを思いのままに創造して」わたしたちでは考えもつかない天才的な感性で表現した、ダイナミックでありながら緻密で繊細な点と考えています。
障害のある人の作品を鑑賞したり活用したりすることでどんな効果が期待できると思いますか?
まず一つ目は、鑑賞することで「発想の転換」を意識させてくれます。 たとえば仕事の場面では、凝り固まってなかなか打破できない難しい局面において、今までの常識にとらわれない「発想の転換」を気付かせてくれます。
今まで見ていたところとは全く違う視点から「観る」「考える」ことで、これまで常識の範囲でしか考えなかった解決策を、「あたりまえ」をぶっ壊した突拍子もない良案(デザイン)が思い浮かび、閃き、一つの提案書(キャンバス)に描くことができたこともありました。
二つ目は、活用することでの「集客効果」です。 「障害者芸術」という集客効果はさておき、常人離れしたダイナミック且つ繊細・緻密な極彩色の作品に目を引かれ、芸術に素人であるわたしたちでも「素晴らしい!」「すごい!」とつい唸って、思わずその場に足を止めて魅入ってしまう。そんな「集客効果」です。言いかえれば、ウインドウショッピング的な集客効果があると考えます。
三つ目は、企業の「障害者芸術」の採用・普及による「認知効果」だと思います。 認知効果とは、「知ってもらって身近に感じてもらう効果」であると考えます。広く認知されてアートが身近になり、社会的に普及し拡大すれば、作者およびご家族の喜びもひとしお、需要と供給の関係が成立し、大きなWin-Win効果につながることと考えます。
障害者芸術が今後、益々評価され普及することを願っています。
現場近郊の静岡県立清水特別支援学校の生徒さんが描いた作品を巨大な看板にしてアピール。特別支援学校の関係者のみならず地域の住民からの評判も大変良く、地域に根差した取組を評価され、国土交通省から優良工事表彰(社会貢献等工事)を受けた。